サッカー・サポート・センターのツイックラーです。
今回は動いている相手にパスを合わせるトレーニングです。
動いている相手に合わせてパスを出せないこと結構多くないですか?止まっていた場所にパスしたり、相手が動いているとなかなかキックできなくて動かなくなったり、キックするまで5秒ぐらいか掛かったりとこのような現象をよく見ます。サッカーは止まったボールを動かない相手にパスすることはほぼありません。またボールを奪いに来るディフェンスを相手にしながらしなくてはいけないのでパスあるいはシュートすると決断してから1秒より速く実行しなくては成功できません。今回は楽しく遊び感覚で、動きながら動いている相手にパスするトレーニングを紹介します。
動いている相手にパスをすると走っている後ろにパスをしてしまう・・・。
キックするのに時間が掛かってすぐボールを獲られちゃう・・・
評価 | コメント | |
トレーニングレベル | ★☆☆☆☆ | 幼児からできる |
人数 | ★★★★★ | 大人数でもできるが少人数だと効果が少ない |
待ち時間 | ★☆☆☆☆ | 一斉に行うので待ち時間はない |
応用 | ★★☆☆☆ | ルールを変更する程度 |
進め方
オーガナイズ
- 全員がボール1個もち、グリッド内に入る
- ボールを当てる側(白)と逃げる側(黒)に分かれる
- 白の人数を黒の人数よりも2~3人ぐらい少ない人数にする(同数でも可)
- 全員がドリブルしながら移動する
- 白は黒の持っているボールにキックしてボールを当てる
- 黒はボールを当てられない様にドリブルしながら逃げる
- 上半身にボールを当ててはいけない(当てたらポイント0になるなどのルールをつくる)
- グリッドの外に出たらすぐに戻る様にする
ルール1
- 制限時間内に白が何回黒のボールを当てらるかのポイント制
ルール2
- 白にボールを当てられた黒は外に出る
- 制限時間内に黒全員のボールを当てらたら白の勝ち
- 1人でも残れば黒の勝ち
必要な道具
- ボール 各1個
- ビブス 1色~2色
キーファクター
- 足元に置くドリブル(すぐにキックできる、方向転換、よける、ボールを隠す)
- 顔を上げる(まわりを観る)
- キック精度(インサイドキック、動いている相手へのキック)
- グループで追い込む
- 当てやすい相手を見つける(自分を観てない、ボールが離れている)
応用
- 黒と白を同人数にする
- まず黒がボールを当てる側、白が逃げる側
- コーチの合図で白がボールを当てる側、黒が逃げる側に変わる
- 何回か繰り返す(攻守の切り替え)
獲得できるスキルやメリット
- 動いているボールに合わせてキックできるようになる
- 顔を上げて周りを観ながらドリブルできるようになる
- 素早いキックができるようになる
- 相手とボールの間に足や体を置きながらドリブルできるようなる
- 危険な場所や安全な場所を気にしながらドリブルできるようになる
- エリアの大きさを気にしながらドリブルできるようになる
- 相手の観察や動きを予測できるようになる
- グループで相手を追い込むことができる
- 大勢ででき競争をしながらできる
どんな人でも止まっているボールを止まっている相手にパスすることはできますが、あまりサッカーではありえない状況です。基本的には相手のいないスペースに動いてもらったり、相手のマークを外しながらもらうことがほとんどなので、動いている相手にパスをしないといけません。その為には相手の動きを予測したり相手に届くまでの時間を把握して強さを調整しないといけません。このトレーニングはこの要素がたくさん入っていて尚且つゲーム感覚で習得できます。またキックの技術も習得できますが、逃げる方は避けたりブロックしたり安全なスペースに逃げたりとドリブルの技術も習得でき一石二鳥です。まず追いかける方がボールを当てる為には相手の状態を観察できないといけません。自分を観ているのか、ボールが見える持ち方をしているのか、体からボールが離れているのかなど多くの当てられる要素を瞬時に認知しないといけません。さらに人数も多いので1人だけでなく複数の人数も見えるようなボールの持ち方だったり体の向きを取らないといけません。次にチャンスを見つけたら即座にキックをしないといけないので常にボールをキックできる準備しながらドリブルしないとチャンスをのがしてしまいます。そしてターゲットの動きの予測。キックの決断をした時にはその場所から動いているので動いた先でボールを当てる為にどこで合わせるか、強さはどのくらいかを予測してキックをしないといけません。ドリブルが上手な子を個人で追いかけても当てられないのでグループで追い込むことも覚える様になります。逃げる方は追いかけてくる方の動きを予測しながら相手の見えない位置や全体が見える安全な場所に移動したりキックしてきたボールをかわしたり足でブロックしないといけません。またボールを守るために体や足でボールを隠しながらドリブルしないといけないので必然的にボールを体の近くに置くようになります。このようなパスやドリブルのたくさんの要素を大勢で楽しみながら習得できます。
注意点やデメリット
- 強く蹴ることだけで相手の顔やお腹にボールを当ててしまう
- ラインの側にいてボールを隠して動かない
- エリア関係なく逃げてしまう
- みんな外に出て誰もいなくなる
- 仲の良いもの同士で1人をひたすら追いかけて他の子が何もしなくて済んでしまう
- 蹴ったボールが足に当たり、転んでしまう
子どもは何かにボールを当てるときはとにかく強いということを重視します。その為、足元にあるボールに関係なく思い切り蹴って相手の顔やお腹に当ててしまうことがあります。また広いグランドだと遠くにボールが行ってしまい取りに行くのに時間が掛かってしまいます。逃げる側も逃げることに必死でボールを遠くに蹴って当てられない様にしたり、ボールを置いて自分だけ逃げたりそしてとにかく逃げる為にエリアの外に出て行ってしまいます。結果的に誰もエリア内にいなくなることがあり時間だけが過ぎていきます。よくある現象としては仲の良い子同士だけ1人だけ追いかけて2人だけで楽しんでしまい他の子がぽつんとただ止まってボーっとしてしまったり、年を重ねてずる賢くなるとライン際にボールを置いてしゃがんで隠して楽してボールを守る子も出てきます。
このような注意点もルールを作ることで解決できます。
- 顔やお腹にボールが当たる⇒上半身にボールを当てたら減点
- エリア内に誰もいなくなる⇒逃げる側が全員エリアの外に出たら追いかける側の勝ち
- 1人だけを追いかける⇒全員に当てたら勝ち
- ライン際でボールを隠す⇒コーチがラインの外からボールを獲る
指導ポイント
- どいう相手が狙いやすいか観察や予測する
- すぐにボールを蹴れる、よけられるドリブルをする
- ボールを蹴るときはボールをみる
- 顔を上げる
- ボールを足や体で隠しながらドリブルする
- グループでの追い込み方
- インサイドキック
まずはボールの持ち方がポイントになります。すぐにボールを蹴られる位置や方向転換やよけることができる様にボールを運ぶことが重要です。そして相手がどこにいるかや安全なエリア、どこまで逃げられるか、追いこめるかなどの状況を把握するために顔を上げることも必要になるので顔を上げる為にもボールの持ち方が重要になります。ボールの持ち方の基本は足元(真下ではなく歩幅一歩分)なのでドリブルの時も止まるときも体からボールを離さない様に注意しましょう。次に当てる為に必要なポイントです。当てる為には自分をみていない、ボールが体から離れてる、向きを変えたときなどの当てやすいポイントを理解することが重要です。その為には顔を上げて複数の相手を観察したり次の行動を予測しなくてはいけません。最後にキックの正確性ですね。良い観察からの予測ができても思った場所に蹴れないと当てられないと意味がありません。正確に蹴る為にはボールを観る、ボールの中心を蹴るになります。特に蹴る前に色々観ないといけないのでどうしても蹴る瞬間にボールを観ないで蹴ることが多くなるので、蹴る瞬間はボールをしっかり観ようと声を掛けていきましょう。恐らく最初はなかなかうまく当てられないと思います。1回やってみた後、2回目をする前に一度みんなにどうしたら当てらるか聞いてみると良いでしょう。
良い意見もあれば的外れだったり、同じ意見が続くことがあると思いますがどんな意見も聞いてあげましょう。良い意見はほめてあげるとどんどん意見が出ますよ。
逃げる側としては当てる隙を与えないボールの運び方が求められます。体や足でボールを隠したり、安全な場所やフェイント入れたりして相手に予測させない様に声を掛けていきましょう。逃げ方はディフェンスからボールを奪われないようにする要素が含まれているので逃げる側にもしっかり焦点を当てて声を掛けていきましょう。特にたくさんボールを当てられているときはフリーズして(1回止めて)質問しながらポイントを確認しましょう。レベルによっては当てる側はインサイドキックを多用することや相手のいる場所やラインの位置によりどっちの足(右か左)でもつかまで細かく指摘できると良いでしょう。また複数で相手を追い込んで当てるなどグループでボールを当てられる様に作戦を考えさせるとより高度なゲームになります。
まとめ
- 競争をしながら動いている相手に合わせてキックすることができる
- ボールをすぐ蹴れるようなボールもち方と相手の動きを予測することが大事
- キックのトレーニングだけでなく、ドリブルのトレーニングも行える
- 注意点やよくある事象はルールを設定して解決できる
- 当てたら1ポイントや当てたら外に出るなどルールを変えて楽しく取り組むことができる
ルールをかえると求められる技術が変わるので色々試してみて!!
enjoy football!!
声の掛け方やトレーニングの進め方などの指導方法は下記の記事を参考にしてください。
コメント