サッカー・サポート・センターのツイックラーです。
今回は相手の動きを観てからのトラップです。
パス&コントロールのトレーニングの定番といえば対面パス。パスの基本とボールの止め方など数多く反復できるトレーニングですね。
対面パスは飽きやすくてすぐだらけちゃう・・・
ディフェンスがプレッシャーをかけると直ぐトラップミスをしてしまう
対面パスは反復練習としてはとても良いですが、認知・判断の観点からみるとあまり効果的ではないですね。パスをトラップをする上では奪いにくるDFの動き(寄せの速さや寄せにくる方向)を考慮しないと良いトラップはできません。ボールをただ止めるだけではなく相手の動きを観てトラップの方向や置く場所を決めらる様にまたパスをする側もドリブルをしてからパスするなどいくつかパターンを用意し認知・判断をしながら飽きない様なパス&コントロールのトレーニングを紹介していきます。
評価 | コメント | |
トレーニングレベル | ★★★☆☆ | 小学生以上(相手の動きを観てトラップするので少し難しい) |
人数 | ★★★☆☆ | 4人~8人(人数が多い時は列を増やして対応) |
待ち時間 | ★★★☆☆ | トラップミスをすると時間がかかる |
応用 | ★★★★☆ | プレッシャーの掛け方やドリブルからパスなど応用可能 |
進め方
オーガナイズ
- コーン側(白)は1人1個ボールもって並ぶ
- 黄色マーカー側(黒)はボールなしで並ぶ
- 白がコーンをジグザグにドリブル・・・A
- 黒は白が通り抜けた逆側にトラップし白が並んでいるところまでドリブル・・・C
- コーンを通ったら直ぐに黒へパスし、緑マーカーの右or左を 走って通り抜け黒側に並ぶ・・・B
- 3~5を繰り返す
必要な道具
- コーン×4(本数は調整可)
- マーカー×1
- ボール各1個あるいは3個以上
キーファクター
- 相手の動きを観る
- 正確なドリブル(適正なスピードとインサイドやアウトサイドのタッチ)
- 体の使い方(コーンをかわすステップとボールと一緒に動くステップ)
- パスの質(スピードや正確さ)
- トラップ(コントロール)の方向とボールを置く場所
応用
応用①
- コーン側(白)は1人1個ボールもって並ぶ
- 黄色マーカー側(黒)はボールなしで並ぶ
- 白がコーンをジグザグにドリブル・・・A
- コーンを通ったら直ぐに黒へパスし、黒に向かってプレッシャーをかけ黒側に並ぶ・・・B’
- 黒は白のプレッシャーをかわし、白が並んでいるところまでドリブル・・・C
- 3~5を繰り返す
応用②
- コーン側(白)は先頭だけボールを持ち他はボールなしで並ぶ
- 黄色マーカー側(黒)はボールなしで並ぶ
- 白が黒にパス・・・A’
- 白が黒にパスをしたら緑マーカーの右or左を走って通り抜け黒側へ並ぶ・・・B
- 黒は白が通り抜けた逆側にトラップし白へパスして白側に並ぶ・・・D
- 3~5を繰り返す
獲得できるスキル
- 相手の動きを観てトラップができる
- ドリブルしながらパスがスムーズになる
- トラップから次の動き(ドリブル・パス)がスムーズになる
- トラップの質(ボールの置き場所)の向上
- パスの質(正確性とスピード)の向上
- パスからダッシュの動き出しがスムーズになる
なんといっても相手の動きを観てどこにトラップするかの判断できることがこのトレーニングの特徴になります。奪いにくる相手が右から来るのか左から来るのか、正面から来るのかでボールを置く場所がかわってきます。ただの対面パスだけではこの相手の動きを観て(認知)どこにトラップする(判断)がないので実際のサッカーの中ではなかなか生かされません。まずはわかりやすく動きをつけることで判断力を養います。パスやドリブルも取り込んでいるのでパスやドリブルの質も向上できます。またドリブルからパス、パスからダッシュなど動きの変換能力向上にもつながります。
注意点やデメリット
- 動きが複雑なので理解するのに時間が掛かることがある
- パススピードや正確性がある程度ないとうまくまわらない
- トラップがある程度できないとうまくまわらない(後ろにそらさない程度)
- パスをだしてから動き出しが遅いとトラップの判断ができなくなってしまう
- 同じ方向に全員がダッシュしてしまうと判断がなく機械的になってしまう
- 大人数だと回数が少なくなってしまう
動きと流れが理解できていないと時間だけが過ぎ去ってしまったり認知と判断ができず止まってしてしまいます。またトラップやパスがある程度できないとぜんぜん回らなくなって触る回数がへってしまいます。動きや流れが理解できていない中、注意ばっかりになってしまうとコーチも選手もストレスだけ溜まってしまい雰囲気が悪くなってしまいます。動きが慣れてきてもみんなが同じ方向に動くようになるとただ機械的に動くようになってしまいます。
指導ポイント
- デモンストレーションを入れて丁寧に動きや流れを説明
- パススピードはダッシュするスピードより速く
- トラップは体の真正面で受ける
- ボールをトラップする足は浮かす
- ドリブルからパスは止まらず速く、受け手に近づきすぎない
- パスのあとのダッシュを速くし判断をしやすく
まずは動きを1つ1つわかりやすく説明しましょう!!細かいことは動き理解ができてから。
まずは動きや流れを理解させることが先決なのでデモンストレーションを入れてゆっくり丁寧に説明し細かいことは気にせず動きを身につけさせましょう。動きがスムーズになったらパススピードやボールの止め方を指導していきましょう。また認知・判断ができないと意味がないのでパスを出した後のダッシュを速くしパスを受ける側にわかりやすく動きを見せる様に注意していきましょう。慣れてくると同じ方向だけにダッシュするようになるのでコーチが「右にも左にも行くように」と声を掛けていくことも重要です。
動きがスムーズになったらパスやトラップにフォーカスして指導していきましょう。
ボールを止めるときはボールに対して真正面に立つ様に指導していきましょう。どうしても足で止める意識が強いので体を動かさずに足先だけで合わせようとする子が多いです。また止める足を地面につけたままにする子も多いので止める足を少し上げておく様に指導しましょう。「足をつけておくと壁の様に固くなって跳ね返っちゃうよ!!柔らかいスポンジにボールをぶつけても跳ね返らないよね?」など子供たちがイメージしやすい様に説明すると頭に入っていきやすいです。僕がパス&コントロールで最も要求するのがパススピードです。どうしてもミスを怖がったり、取りやすいボールを出すことに意識しすぎてしまいゆっくりのパスになってしまいます。なのでパススピードについては常に声掛けパスがずれても褒める様にしています。
まとめ
- 相手の動きを観てボールを止めることができ試合に近い練習になる
- パスやトラップのレベルに合わせて応用できる
- 動きが複雑である程度パスやトラップができないとうまくまわらない
- 大人数だと待ち時間が長くなるので2ヶ所、3ヶ所と増やさないといけない
レベルの見極めはとても大事。難しすぎるとお互いストレスたまって上達しないので、うまくいかないときは対面パスにかえても問題なし!!子供たちの目線で考えてあげましょう。
声の掛け方やトレーニングの進め方などの指導方法は下記の記事を参考にしてください。
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