サッカー・サポート・センターのツイックラーです。
熱中症についてです。
7月の中旬になると35℃近くになり、どんどんと気温が上昇していき8月になると38℃と外で活動にするには熱中症の危険がつきまってきます。気象庁からは熱中症警戒アラートが発令され、野外での活動は避けるように注意が呼びかけれるようになりました。しかしながら、スクール活動はレッスン回数をこなさなければならず、チーム活動ではリーグ戦などの試合数をこなさないといけない為、簡単には活動をやめることはできません。各チームやスクール活動の中では熱中症にならない様に活動時間を気温のピークタイムから避けたり、屋内での活動に変更したりと工夫をされていると思いますが、グランドの時間変更ができない、屋内施設を使うことができないなど熱中症対策に苦慮されているチームがほとんどではないでしょうか?また預けたチームやスクールの指導者を信用しているとはいえ保護者の方も熱中症の心配を抱えているのではないでしょうか?
暑さに弱くて体育の授業も心配・・・。
暑い中でも試合をこなさないといけないけど耐えられるかなぁ。
指導歴9年、年間100人の幼児や小学生を指導しているツイックラーが熱中症予防についてご紹介していきます。熱中症を予防していくには、そもそも子供たちが暑熱に強い体にならないといけません。子どもたちが寝不足やご飯をたべておらず体調が悪かったら、どんなに良い環境を作っても簡単に熱中症になってしまいます。暑熱に強い体をつくることは、特別な何かをする必要はありません。3食食事をとり、30分程度の軽い運動、しっかりとした睡眠をとることで暑熱に強い体をつくることができます。その上で、水分補給や冷却、休憩場所の確保などの対策が必要になります。この記事では食事、睡眠、適度な運動の必要性と指導者が用意すべきものと子供たちが必要なものを紹介し、熱中症にかからずにサッカーが楽しめる様にサポートしていきます。
熱中症とは
体温が上昇し大量に発汗することによって体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のことです。
【熱中症の主な症状】
- たちくらみ
- 筋肉痛や筋肉の硬直
- 大量の発汗
- 頭痛
- 倦怠感
- 吐き気
- 嘔吐など
詳しくは下記のHPを参照ください。
生活
熱中症を予防するためには最も大事なことは熱中症になりにくい体をつくることです。ただ運動したら水分や塩分をとるだけでは熱中症を防ぐことはできません。熱中症を予防する3つの要素は食事・睡眠・運動です。食事で熱中症になりにくい体をつくり、疲労回復を促していきます。そして摂取した栄養素を睡眠時に補給し、適度な運動することで強い体を作り上げていきます。
食事
ナトリウム
ナトリウム=塩分。汗を大量にかくと水分とともに塩分も一緒に失われていきます。にもかかわらず、水分だけを補給すると、血液中の塩分濃度が下がります。塩分濃度が下がることで、手足の筋肉の収縮が起こり、熱けいれんが生じます。こまめに水分補給を行っていても熱けいれんが起きることがあるので、水分だけでなく塩分も一緒に摂取しましょう。
塩分は通常の食事で必要摂取量を補うことができているので、特別多く摂取する必要ありません。運動時の発汗量によってスポーツドリンクで水分とともに塩分摂取しましょう。
カリウム
カリウムも汗を大量にかくと水分とともに失われていきます。カリウムは細胞内液に多く含まれており、不足すると細胞が脱水状態になります。 細胞が脱水状態になると、熱中症を発症したときに内臓機能の低下を引き起こします。カリウムは熱中症にかかったときの回復力を高めてくれ、日常的にとることで熱中症予防にもなります。
【カリウムを多く含む食材】
豆類・芋類・海藻類・果物・野菜
カリウムは水に溶けやすい性質で煮たり、茹でたりすると水蒸気ともにカリウムが喪失されてしまいます。カリウムを摂取する場合は食材そのまま食べるか、スープや汁物にして摂取しましょう。
ビタミンB1
ビタミンB1は糖質を分解してエネルギーにするために必要な栄養素です。糖質のもととなる炭水化物を多く摂取してもビタミンB1が不足していると糖質が分解できないため、エネルギーを作り出すことできません。炭水化物とともにビタミンB1をしっかり摂ることで疲労回復することができます。
【ビタミンB1を多く含む食材】
豚肉・うなぎ・玄米・発芽玄米・大豆・モロヘイヤ・きのこ類・そら豆
カリウムやビタミンB1などの熱中症予防に必要な栄養素はプロテインでも補えます。プロテインについての記事は下記を参照ください。
睡眠
睡眠不足は、翌日の眠気や疲労の増加等、日中活動にも影響します。睡眠時間が短い場合(4時間)、普段より1.5時間程度の睡眠時間の短縮でも、翌日に運動をすると体温が高く、汗の量も多くなり、体温調節機能が低下します。夏の睡眠不足は、熱中症のリスクを高くする可能性があり、夜間の睡眠環境を整えてしっかり眠ることが大切です
暑熱順化
暑熱順化とは「やや暑い環境」において「ややきつい」と感じる強度で、毎日30分程度の運動(ウォーキング等)を継続することで体が次第に暑さに慣れて、暑さに強くなること。
暑熱順化を獲得すると暑熱環境での体温上昇や心拍数増加などの生理的ストレスを軽減できます。また循環血液量が増加し、汗のかき始めも早くなります。そのため同一体温に対する汗の量も増え、より効果的な体温調節ができるようになり、熱中症の危険性が低下します。暑熱順化は運動開始数日後から起こり、2週間程度で完成するといわれています。そのため、日頃からウォーキング等で汗をかく習慣を身につけて暑熱順化していれば、夏の暑さにも対抗しやすくなり、熱中症にもかかりにくくなります。
熱中症についての睡眠と暑熱順化の詳細については下記を参照ください。
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_3-1.pdfグッズ
熱中症は食事と睡眠、運動の3つで予防することが最も大事ですが、グッズを使うことでより予防を強化できます。サッカーの指導者と選手とでは用意するものが異なります。指導者は少しでも熱中症にならない様な環境をつくり、熱中症の症状があれば対応しなければなりません。選手は熱中症にならない様に対策をしていく必要があります。
指導者が用意するもの
タープテント
グランド内は基本的には日光を遮るものがありません。その為、日光を浴び続けてきしまいます。少しでも日光を遮る空間や休憩場所を作ることは熱中症予防の第一歩になるため、タープテントは必須アイテムです。
クーラーボックス
日光を浴びていると体温が上がっていきます。上がった体温を下げることで熱中症の予防に繋がります。クーラーボックスに氷水を用意することで、手を冷やしたり、タオルを氷水につけて体を拭くことで体温の上昇を妨げることができます。
経口補水液
熱中症の症状が現れた場合、素早く体内に水分や塩分、糖分を吸収させないといけません。経口補水液はスポーツドリンクよりも電解質濃度(塩分やカリウムなど)が高く、体に素早く吸収される糖濃度となっています。熱中症の症状が現れた際はスポーツドリンクやお茶ではなく経口補水液を飲ませられるように数本用意しておきましょう。
冷却
捻挫や打撲などの応急処置に使用する冷却剤ですが、体を冷やす為にも使用できます。頸動脈の通る首筋や脇の下に使うことで体を冷やすことができます。
選手の用意するもの
熱中症を予防する上で大切なことは頭に直射日光を浴びないことです。その為には帽子は非常に大切なアイテムになります。通気性が良いものであればどんなものでも良いですが、水を濡らせて絞るとひんやりする帽子などより熱中症予防に力を入れたものあります。
帽子
冷却グッズ
首にかけるクールリングや水につけて絞って振ると冷えるタオルなど色々な冷却グッズが販売されています。しかしクールリングやタオルを首につけながらサッカーをすると邪魔に感じたり気になってしまいサッカーに集中できません。そこでおすすめしたいのが帽子の中に入れるクールパッドです。防止の中であればあまり気にならず頭を冷やすことできます。また自分で氷嚢を持ってきて休憩中に冷やすこともとても熱中症予防にとても良いです。
まとめ
- 熱中症は様々な症状を引き起こす危険なもの
- 規則正しい日常生活をおくることが熱中症予防となる
- カリウム、ビタミンB1を摂取して内臓機能を正常に保ちと体の疲労回復をはかる
- 指導者は熱中症を予防する環境をつくり応急処置の準備をする
試合の日程消化やレッスン回数など事情はいろいろありますが、熱中症アラートが発令しているときは中止にするのことが望ましいです。enjoy football!!
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