
サッカー・サポート・センターのツイックラーです。今回は室内でできるアジリティをメインのコーディネーショントレーンニングです。
雨天やグランドがとれないなどボールを使ってトレーニングできない環境下では筋トレや体幹トレーニング、持久力、コーディネーションに励んでいるチームも多いと思います。ただサッカーに必要だとはいえ、筋トレや体幹トレーニング、コーディネーションは体力的にも筋力的にもしんどいです。その為、長時間行っても飽きてしまって身になりにくくあまり効果がでないこともあります。

コーディネーショントレーニングを長時間するのは大変だなぁ。

ボールを使うことができないならサッカーで使うステップを強化したいぁ。
指導歴9年、年間100人の幼児や小学生を指導するツイックラーが室内や狭い場所でもできるアジリティ(敏捷性)にフォーカスしたコーディネーショントレーニングを紹介します。
サッカーにおいてアジリティはとても大事な要素です。アジリティといっても単なる足の速さではなく止まるまでのスピードや次の動きに移行するスピード、止まった状態からトップスピードまでに加速するスピードなどたくさん意味があります。サイドステップ、バックステップ、寄せなど様々な動きを連続して行えるようにし、アジリティを強化していきます。
また指導者の指示(指の向きや声)に合わせた動きをしたり、指示とは逆にしたり、記憶して始めたりとゲーム性や脳トレの様な要素を含め楽しみながらできるので、しんどさを和らげやらされている感をなくすことできます。身体能力を向上させ脳の活性化も併せて行うことができます。
雨天などでボールを使うことができない環境下では通常トレーニングではなかなかすることができない様々なステップや動きを強化し、コーディネーション能力を向上させましょう。
- 雨天時の室内トレーニングに使える
- アジリティ(俊敏性)を向上させたい
- 楽しみながらコーディネーショントレーニングを行いたい
評価 | コメント | |
トレーニングレベル (★が多いほど高い) | ★★☆☆☆ | 小学生から大人までレベルに合わせてできる |
人数 (★が多いほど多い) | ★★★★☆ | マーカーやコーンがたくさんあれば何人でも(部屋の大きさにもよる) |
待ち時間 (★が多いほど少ない) | ★★★★★ | ほぼ待ち時間なくどんどん交代できる |
バリエーション (★が多いほど高い) | ★★★☆☆ | バリエーションは多数 |

アジリティとは

アジリティとは、日本語で言う敏捷性(びんしょうせい)のことです。敏捷性というとセルティック所属の前田大然選手やバイエルンのアルフォンソ・デイビス選手のような足の速さなどをイメージするかもしれませんが、サッカーにおけるアジリティは単なる速さのことを指しているわけではなく、具体的にはスピードや加減速、さらには方向転換の速さなどのことを指しています。
要するにサッカーにおけるアジリティとはコーディネーション能力の高さであり、コーディネーション能力、特に変換能力や反応能力、連結能力を向上させるトレーニングをすることでアジリティは向上していくことができます。
コーディネーション能力とは「自分の身体を巧みに動かす能力」とのことです。
コーディネーション能力は7つの能力に分けられるます。
- リズム能力:リズム感を養い、動くタイミングを上手につかむ能力
- バランス能力:バランスを正しく保ち、崩れた姿勢を立て直す能力
- 変換能力:状況の変化に合わせて素早く動きを切り替える能力
- 反応能力:合図に素早く反応し、適切に対応する能力
- 連結能力:体全体をスムーズに動かす能力
- 定位能力:動いているものと自分の位置関係を把握する能力
- 識別能力:道具やスポーツ用具などを上手に操作する能力
★詳細は下記のサイトを参考にしてください。

トレーニング例

アジリティトレーニングその1
指導者が指あるいは口頭で指示した方向に素早く反応するトレーニングです。ジャンプ、しゃがむ、サイドステップ、クロスステップなどいろいろな動きやステップを取り込んでいるので反応能力、連結能力、変換能力が向上していきます。記憶力や理解力など脳トレの要素も組み込み体や脳にも刺激を与えながらゲーム性もあるので楽しみながら取り組んでいけます。
(上からの図)

(正面から)

- 赤マーカーに並ぶ
- 先頭は青コーンの真ん中に置いてある黄色マーカーをまたいで立つ(スタートポジション)
※スタートポジションではプレジャンプで待つ - 正面に立っている指導者の指の動きに合わせて動く(4回)
上:ジャンプ、下:しゃがむ、左右:コーンを回る
※1回動いたらスタートポジションに戻る - 4回動いたら青マーカーまでスプリントする
- 赤マーカーに並ぶ
- 2~5を繰り返す
- コーンをタッチ
- コーンをタッチする手を限定する
例:右のコーンは左手、左のコーンは右手でタッチ - 左右はサイドステップのみ
- スタート位置を赤マーカー、合図で黄色マーカーまで移動してポジションをとってから始める
- 指示を声に変える
- 指と向きと反対の動きをする
上:しゃがむ、下:ジャンプ 右:左のコーン、左:右のコーン - 先に指図を4回してからスタートする(指の動きを記憶する)
- 回数を変える
- コーンの間隔を変える
アジリティリティトレーニングその2
1つ目のトレーニングと違い、横の動き+前後の動きを取り入れています。サイドステップやクロスステップに加えバックステップ、フロントステップ(前に出る動き)のアジリティトレーニングになります。色と動きを連動させるので脳の活性化にも繋がりアジリティトレーニングその1と同様ゲーム性も含んでおり反応能力、連結能力、変換能力の向上を促していきます。

- 4つのコーンの真ん中に立つ(スタートポジション)
※スタートポジションではプレジャンプで待つ - 指定されて色を正面を向いたまま回ってスタートポジションに戻る
- 数回やったら交代する
- コーンをタッチして戻る
- タッチする手を限定する(右手のみ、左手のみ)
- コーンの間隔を変える
- 指定した色を先に何個か伝えてからスタートし、順番通りコーンを回る
例)緑、青、赤、青と指示しを出してスタート
必要な道具

- コーン各色1個
- マーカー


【補足】
室内でグリッドやラインを引きたい場合は養生テープが便利です。養生テープは貼っても簡単にはがせるので比較的床やフローリングを傷つけることもなく、テープのはがし残しがありません。

メリット
- 省スペースや室内で行える
- ウォーミングアップとしてもつかえる
- コーディネーション能力が向上する
- プレジャンプの習慣化
- サイドステップ、クロスステップ、バックステップがスムーズになる
- 脳が活性化する
- 体力アップ
- 道具があれば何列も作れてたくさんの人数でできる
ボールを使えない環境、室内や省スペースの場所でも行えるトレーニングです。サッカーに必要なサイドステップ、クロスステップ、バックステップ、スプリントなど組み合わせて行えるのでコーディネーション能力が向上していきます。特にプレジャンプは全てのアクションの準備になるのでプレジャンプを徹底することで習慣化できます。指での指示や色の指定など考えながら動きを変えていかないといけないので脳も活性化し、脳トレのゲームの様にゲーム性が高いので楽しみながらトレーニングを行うことできるのでウォーミングアップにも使えます。
道具がたくさんあれば複数の列を作ることができ、大人数でも行えます。
★サッカーに必要な体の使い方や動き方については下記の記事を参照ください。
注意点やデメリット
- ボールを使わないトレーニングの為、サッカーに生かしにくい。
- 考えすぎて体を動かすのを止めてしまう。
ボールを使わないトレーニングなので通常練習であまり時間を取り過ぎてしまうと、もったいないですね。ボールを使うことができる環境下であればボールを使ってトレーニングした方が、サッカーの技術とコーディネーション能力ともに向上させることができます。また様々なステップやアジリティを向上させることがサッカーに生かさないとトレーニングの意味がなくなってしまいます。どういう場面で使うと効果的なのかをイメージさせて取り組ませるように工夫していきましょう。
考えながら体を動かすことで脳の活性化と身体能力向上や運動神経に刺激を与えることができますが、考えすぎると逆に体が動かなくなり停止してしまうことがあります。うまくやろう、間違えずにやろうと意識が強すぎると停止してしまう傾向にあるので、間違えて反応してもいいので体を動かす様にしていきましょう。間違えたことも楽しめる様にしていきましょう。
まとめ
- 室内向けのウォーミングアップ用のコーディネーショントレーンニング
- アジリティ向上のためのコーディネーショントレーニング
- アジリティとはスピードや加減速や方向転換の速さのこと
- サッカーに必要なステップを組み合わせて行える
- 脳の活性化や認知力、調整力の向上も見込める
- ボールを使わないのでサッカーに繋げにくい
- マーカーやコーンがたくさんあれば大人数で行える

ステップしたり止まったりスプリントしたりと黙々とやるとしんどいですが、楽しんでできればしんどさも半減できます。enjoy football!!
★選手への声の掛け方や接し方、指導方法について学びたい方は下記の記事を参考にしてください。

★スキル習得する練習メニューの作り方は下記の記事を参考にしてください。

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