ゴール前でのマークを外す動きを加えたシュート練習

U10
ツイックラー
ツイックラー

サッカー・サポート・センターのツイックラーです。

今回はフリーになる動きを加えたシュート練習です。

サッカーは点を相手より多くとるゲームです。どんなにボールを保持できていても点が取れなければ勝てません。そして強いチーム、レジェンド級のチームには必ず多くの得点を奪ってきたフォワードがいます。年間100試合色々な試合を観ていますが点を取る選手はフリーになるのがとても上手です。点を取る少し前までマークされていたのに点を取る瞬間にはフリーになっていることが多々あります。フリーになる為には様々な工夫や駆け引きが行われています。今回はその一部である相手から離れる動きと離れてからスペースに入りむ動きからのシュートのトレーニングになります。

なかなか点がとれないけど、どんな練習がいいのかなぁ

シュート練習は上手だけど試合だと全然シュートが撃てない

おすすめポイント
  • 点を取れるようにしたい
  • シュート練習のバリエーションを増やしたい
  • シュート前のファーストタッチを向上させたい
  • 相手のマークを外し方を覚えさせたい
評価コメント
トレーニングレベル★★★☆☆小学生3年生以上
人数★★★☆☆4~10人
待ち時間★★☆☆☆人数が多いと少し時間が掛かる
応用★☆☆☆☆応用はあまりない

進め方

オーガナイズ

パターン1
  1. 先頭はボールなし、その後ろは全員ボールもって赤いマーカーに並ぶ
  2. 黄色のコーンに向かって走る(クロスステップ)・・・①
  3. 次に並んでいる人が①で走った人に向かってパス(足元へのパス)・・・②
  4. ①の人がパスをトラップしてゴールにシュート・・・③
  5. ③をしたらボールを持って赤いマーカーに並ぶ
  6. パスを出した人が①をする
  7. 2~6を繰り返す。
パターン2
  1. 先頭はボールなし、その後ろは全員ボールもって赤いマーカーに並ぶ
  2. 黄色のコーンに向かって走り(クロスステップ)、コーンを回る・・・①
  3. 次に並んでいる人が①で走った人に合わせてスペースにパス(スルーパス)・・・②
  4. ①の人がパスをトラップしてゴールにシュート・・・③
  5. ③をしたらボールを持って赤いマーカーに並ぶ
  6. パスを出した人が①をする
  7. 2~6を繰り返す。
変化を加える
  • シュートをダイレクトにする
  • GKをつける
  • シュートを撃った人がGKをしていく

必要な道具

  • ゴール×1
  • ボール各1個(あるいは3個以上)
  • マーカー×1個
  • コーン×1個
  • ゴール×1個

※マーカーやコーンは代用のもがあればなくても大丈夫です。

キーファクター

  • 準備の確認
  • 走りの質(クロスステップ、スピード、走りこむタイミング)
  • 体の向き
  • トラップ(ファーストタッチ)の質
  • パスの質(パススピード、タイミング、正確性)
  • シュートの質

応用

2vs1
  • 黄色マーカーに2列で並ぶ
  • 赤マーカーにボールを持って並ぶ
  • CがボールをAかBにパスをして2vs1をはじめる
  • ゴールを決めたら勝ち
1vs1+フリーマン
  • 黄色マーカー(A)、赤色マーカー(B)青色マーカー(C)にそれぞれ並ぶ
  • 青色マーカーはボールを持って並ぶ
  • 青色マーカーから始めるCはフリーマン(シュートはできない)
  • CがAかBにパスをしてスタート
  • シュートを決めたら勝ち
  • 枠を出ても終了
  • 何回か終わったら場所をローテーションで交代して始める(例:AがB、BがC、CがAに移動)

2人で攻める方は数的優位で進められます。1人はフリーの状態ができているため、フリーの動きの質が重要になります。上記のトレーニングで得られた相手から離れながら受ける動きや相手から離れてからスペースに入り込む動きなどが出てくるように声を掛けられる様にしていきましょう。

獲得できるスキルとメリット

  • ゴール前のマークの外し方
  • 動きながらパスをトラップ
  • 相手の動きに合わせたパス
  • シュートがすぐに撃てるファーストタッチ
  • 相手を観ながらのスムーズな体の動かし方(クロスステップ)
  • シュート技術の向上
  • 待ち時間を少なくパス、コントロール、シュートの練習ができる

ゴール前はマンマークされなかなかフリーでシュートを撃たせてくれません。その為、ディフェンスと駆け引きをしながらマークを外してシュートする必要があります。またボールを待ってもらうことはほとんどないので動きながらボールをコントロール(トラップ)することが要求されます。パターン1ではマークから離れながらのボールコントロール、パターン2はいったんマークから離れてからスペースに入り込んでからと異なる動きからのシュートパターンのスキルを獲得していきます。パスの受け側は自分が欲しいタイミングとシュートをすぐにうてるトラップをする為にパスをする人を観なくてはいけません。パスの出し手側は相手に合わせたパスができないとシュートをさせることができないので、パターン1ではコーンに受け手が到達すると同時にパスを届ける、パターン2にでは空けたスペースに受け手のスピードを落とさせない様、GKにもさわらせないパスを出すことがスキルが求められます。異なるパスの質(正確性やスピード)を獲得できます。もちろんシュートの技術も求められるのでシュートのスピードや場所、GKが入ればGKの位置も意識してシュートしないといけません。そしてシュートまでのトラップする身体の向きやボールへのアプローチの仕方も重要なスキルになります。パスの出し手をして次に受け手からのシュートをするので待ち時間も少なくどんどん数をこなしていけます。

注意点やデメリット

  • 相手のことを無視したパスをしてしまう
  • パスする準備ができていないのに走り出してしまう
  • パス出しが遅い、またはパススピードが遅くて相手が止まってしまう
  • ボールを止められずにシュートができない
  • シュートをとにかく強く蹴るだけになる
  • GKの場所を観ずにただシュートしてしまう
  • 長時間すると動きが機械的になり単調になる
  • 応用のゲームでただの1vs1になってしまう

最初に説明してからやらせてみると必ず起こることが、お互いに相手を観ないでやることです。パスを出す準備ができていないので走り出したり、走るスピードを観ないでただ言われたようにパスしているだけということが必ず起きます。それでは何の判断も無くなってしまうので、ここは必ず注意してみておきましょう。このトレーニングは技術的には少し難しいトレーニングになります。パス出しのタイミングだったり、走るスピードに合わせてパスだったり、動きながらボールをコントロールをするなどパスを正確に蹴る、パススピードの調整、ボールをトラップする体の使い方が要求され色々なことを考えながらやらないといけません。ボールをまっすぐ強く蹴れる、ボールを後ろにそらさず止めることができるなどの最低限の技術は必要になります。シュートに関してはまずは蹴ることができれば問題ないですが、ある程度のシュートレベルであればやみくもにシュートするだけではなく高さ(高い、低い)やGKの位置も判断させましょう。またゴールに対しての体の向きやボールの置き場所によって左右どちらの足でシュートしたら良いかも重要なので得意な足だけでシュートさせない様に注意しましょう。同じ事を長時間するとだんだん機械的になるのでパターン1やパターン2、逆側から始める、GKをつける、シュートする足を制限など数回で変化を加えながらやっていきましょう。トレーニングの成果を確認するために応用のゲームをしてもただの1vs1になってしまうことがあります。まずはドリブルで抜かれないディフェンスをする様に注意し、1vs1+フリーマンのゲームをやるときはフリーマンのシュートを無しになるなど工夫しましょう。

指導ポイント

  • 相手のマークを外すイメージを持つ
  • パス出しのタイミングとパススピード
  • 足元に出すときは足にボールを当てる様に
  • スペースに出すときはGKを意識して出す
  • パス出す相手を観ながら動く
  • 走るスピードの調整
  • 動きながらのファーストタッチ(すぐにシュートを撃てる場所)
  • ファーストタッチと同時あるいは移動中にゴールを観る
  • シュートは低くあるいは高く
ツイックラー
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まずはフィニッシュの場面を想定させてマークを外すイメージを持たせましょう

【ボールを受ける前の準備】

注意点でも上げましたがお互いを観ないでプレーしてしまうので、その点はフリーズを掛けて出し手の状況(自分のことを観ているか、パスを出せる状態か、どのタイミング、パススピードでボールが来るか)と出し手は受け手の走るスピードや受ける体勢など必ず観るように指導していきましょう。

【ボールの受け方とクロスステップ】

受け手が出し手を観ながら走るには後ろを観ながらの体勢になるのでクロスステップの動きになります。この動きはディフェンスでもボールをもらう時にも使う必要な動きなので身につけらる様にデモンストレーションを入れながら指導しましょう。パターン1は足元にボールがパスがくるパターンです。足元にくるボールは難しさに関係なくどんなスピードでも原理的には止めらるのでなるべく強いボールで出すようにしましょう。イメージ的には相手の足にボールをぶつけるようにすると速くて正確に蹴れます。受け手側はボールから離れる様に動くのでボールをすぐにシュートできる場所に置くのはとても難しくなります。止める瞬間体が流れてしまうので次の動きが遅れてしまいます。止める瞬間ほんの少しジャンプして体を浮かしてボールを止めるとボールを柔らかく止められ次の動きもスムーズになります。パターン2は受け手が幅を取ってスペースに入る動きになるので出し手はスルーパスになります。クロスステップで幅をとりながら相手がパスを出せるタイミングでトップスピードで受けられようにしましょう。幅を取る利点はディフェンスを動かしてスペースを作ることとパスを出す時間を作ることです。幅をとりながらパスを出す時間を作れるようにしましょう。その際止まって時間をつくらないように注意しましょう。止まってしまうとトップスピードにするまで時間が掛かってしまいます。出し手は受け手のスピードを落とさせない様にスペースにパスできる様パススピードの調整をする様にしましょう。

クロスステップについては下記の記事を参考にしてください。

【シュートの判断と高さ】

シュートを撃つ前はゴールを観る様にしましょう。シュートは判断が最も重要だと考えています。どんなシュート技術も間違った判断ではゴールを決められません。GKやゴールの位置を観てどんなシュート(強いシュート、狙ったシュート、高い、低い、ダイレクトなど)を選択するかを判断させましょう。観るタイミングは移動中やファーストタッチ後が良いです。指導者がGK役になり移動中にどちらかのサイドに移動していない方にシュートする様にすると顔が上がりGKを観るようになります。また子供はとにかく強く高いシュートをしたがります。ただ高いシュートは上手く当てないと中途半端な高さになりGKの最も防ぎやすい高さ(GKの腰から肩ぐらい)になってしまいます。グランダーのシュートはGKがキャッチしづらくとても有効なシュートです。特にGKの遠いサイドに(ファーポストに)向かって低いシュートを撃てるようにしていきましょう。低いシュートは上半身でかぶせるようにすると撃てるようになります。

【トレーニングの成果を確認】

応用であげた2つのゲームのどちらかでトレーニングの成果を確認しましょう。どちらのゲームも最初の攻撃側が数的優位で始めるので必ず2人のどちらかはフリーの状態になります。オフ・ザ・ボールの選手(ボールを持っていない選手)に離れる動きだったりスペースに走りこむ動きを促していきましょう。ボールホルダーにはドリブルやパス、シュートの状況に応じて判断させ、ディフェンス側にはボールホルダーにドリブルをさせた方が良いのか、パスをさせた方が良いのか数的不利の状況でどうやってボールの奪えるかを考えさせてみましょう。

まとめ

  • ゴール前は相手のマークを外しながらシュートをする必要がある
  • 受け手と出し手はお互いに観ることが重要
  • クロスステップをしながら出し手を観る
  • シュートはどこにどのタイミングで撃つかを判断するためにゴールを観る
  • 応用のゲームでボールをもらう動き方を促しトレーニングの成果を確認する
ツイックラー
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試合で使えて初めて技術となるので、成果が出せるようなゲームのオーガナイズやルールをつくると良いです。enjoy football!!

声の掛け方や進め方の指導方法は下記の記事を参考にしてください。

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